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2020年 08月 07日
Gilera150 V
今回の入荷分にはお客様から注文を頂いて輸入した特別なオートバイが数台入荷しています。
本来ならあまりネット上に上げることは無いのですが、今回オーナー様のご了解頂いてその希少なバイクをご紹介。
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こちらはジレラがジロ・デ・イタリアなどの公道レースや当時人気のあった市街地封鎖サーキットレースなどに出場するために造られたレーサー、Gilera150 V
一見すると通常の150 Sportに大型タンクが付いたように見えますが、これが全くの別物で、レーサーならではの仕様になっています。
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まず目を引くのがそのエンジン。クランクケースのデザインは市販車の150 Sportと同じですが、こちらは砂型鋳造の別物です。
クランクケースに鋳出しのロゴがその証。
シリンダーは鉄からアルミに、そしてこのエンジン最大の特徴はシリンダーヘッドで、
斜め上に向けられたインレットマニフォールドでダウンドラフトとなったキャブレターです。
そのためフレームはノーマルのトップチューブが真っ直ぐ後ろに伸びていくのに対してこちらはほぼ並行に後ろに行った後途中で角度がついて曲がっています。
その理由はご覧にのようにダウンドラフトキャブレター仕様になったキャブレターを逃すため。
そしてヘッド周りのメンテナンスのしやすさを考えたデザインになっています。
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そして左側のケースカバーもノーマルから容量を増やしたクラッチに対応するため飛び出しなどない
ナローなノーマルのケースからクラッチの逃げ分が飛び出した独特のデザインになっています。
ブレーキやチェンジペダルのデザインもGilera Corsa 共通のデザインの物。
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車体周りは一見ノーマルと同じように見えますが、先に書いたように湾曲したトップチューブだけでなくヘッド周りの補強や
リアフレームのデザインもノーマルと違いこのモデルならではの構成となっています。
そしてフロントフォークはノーマルと同じながらブレーキは排気量の大きいNettunoの物と思われる物を使い制動力を上げています。

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ガソリンタンクはアルミ製で公道レース用の大容量(20L)仕様のものが装着されています。
シートはこちらもノーマルと違って少し幅広な物で取り付け方法も違います。
他にも細々と色々なところが市販車と違い特別なバイクだという事がわかります。

1954年にホモロゲーションとして約25台ほどしか作られなかったこちらのモデル、
このような大変希少なオートバイを日本に輸入しお客様にお渡しする仕事を頂けたのは店主にとっても光栄で、
オーナー様に喜んでいただけるようこれからしっかり整備等行いたいと思います。




by batmci | 2020-08-07 14:36 | バイク | Comments(0)


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