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2020年 08月 08日
Bianchi 175 Tonale DS

今回の入荷分には先にご紹介したGilera 150 Vの他にもう一台特別なバイクの入荷が有りました。
この様に希少なバイクが一度に複数入荷することは大変珍しいのですがせっかくなのでオーナー様にご了解いただいてご紹介させて頂きます。
それががこちらのBianchi 175 Tonale DS
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このビアンキ・トナーレ175 DSは先にご紹介したGilera 150Vと同じようにジロ・デ・イタリアやミラノ・ターラントに出場する為に1956年頃作られました。
エンジンの外観とOHCという型式こそトナーレと同じですが、フレームや足回り、エンジンも全くの別物で最初の175ccはジロ・デ・イタリア用の公道レースなどに、
そしてこのエンジンをベースとした203ccや220ccのモデルはミラノ・ターラントなどに出場し、
その後ギアトレイン化されたエンジン”Tre bottone” などまで沢山のバリエーションが作られました。
こちらはそのDS初期の個体になります。
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エンジンはノーマルのトナーレと同じデザインではありますが、一見してわかるぐらいヘッドなどは一回り大きく迫力があります。
ノーマルのクランクシャフトと同軸のポイントはカムシャフト駆動用のギアと同軸のレイアウトに変更され高回転の追従性をアップさせています。
その進角はワイヤーでコントロールする手動進角。ガバナーの故障や状況に応じた点火時期に調節できる手動進角は意外と扱いやすいです。
車体周りですとステップや特徴のあるチェンジペダルのリンケージやステップなどの造りは流石レーサーという超軽量な造りです。
そしてもう触っただけでも分かる極薄肉厚管のエキゾーストパイプとメガホンも当時のレーサーならではの部品です。
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ヘッドカバーを開けてみた状態がこちら。ロッカーアームはローラーロッカー、カムシャフトのプロファイルもかなり過激で
排気量からすると大きなバルブスプリングはなんとトリプルスプリングです。各部の仕上げや造りもまさにレーサー然とした美しい仕上げ。
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フレームに目を移してみると、こちらも全くノーマルと別物で、複雑にパイプを組み合わせた凝った造りのヘッド周りが美しいです。
三叉のデザインも凝っていて、ハンドルを低くレイアウトしつつトップブリッジとアンダーブリッジの距離を取り強度を上げようという工夫が見てとれます。
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その他全てに細かい所までレーシングバイクならではの造り込みされたところがあり、見ていて惚れ惚れする造りです。
前回ご紹介したGileraのオーナー様同様大変希少なオートバイを日本に輸入しお客様にお渡しする仕事を頂けたのは店主にとっても光栄で、
オーナー様に喜んでいただけるようこれからしっかり整させていただこうと思います。


by batmci | 2020-08-08 11:35 | バイク | Comments(0)


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